導入事例B社
市場ニーズが高まるプロジェクター。その小型化・軽量化、そして低価格化を図るために求められた、製造プロセスにおける様々な課題に対し、FUJITAITOが具体的に取り組んだ具体策とは…!
本写真はイメージあって、本案件とは関係ありません
●お客様 B社(一流精密機器メーカー)
●導入
システム
プロジェクター製造における精度・コスト・小型化に対する対応
【持ち込まれた案件】
企業の研修や会議、教育現場などで、最近多く用いられるようになったプロジェクター。市場ニーズが高まっているにもかかわらず現在流通している製品は、高額なものが多いため、各メーカーは、中小企業や教育現場へのアピール度を上げるためにも、低価格化、小型化、軽量化への開発が急務となっています。
弊社にも、このような案件を解決すべくあるメーカーから、課題が持ち込まれました。
●開発加工案件
レンズ及び光源周辺部品の開発
プロジェクターは部品点数が多く100点をこえている。従来はそれぞれの部品をネジなどで結合し、組み上げて部品構成し、ベース板にセットするという製造プロセスを経ているが、この精度向上、コストダウン、小型化に対するプランの策定
【各々の課題分析】
さっそく社内にて現行製品を徹底的に分析し、製作構想の立案していきました
●案件解決の為の具体的課題
個々の切削部品を組み付けるため、精度が安定しない
各部品を小型化するため、組みつけの難易度が増してしまう
部品加工精度がより要求させる
部品の組み付け補正が困難である
量産化に対し供給に不安がある(現行では不安定である)
この5つの難題に対して、各工程ごとにプロジェクトリーダーを配置し、リーダを中心とした検討会を頻繁に実施。納期が迫る中、メンバーにはあせりの色が見え始めましたが、「無理ではなく挑戦する」をスローガンに、各部門の柔軟なアイデアを持ち寄り、検討と試行錯誤を、着実に重ねていきました。
【具体的取り組み】
試行錯誤の結果、各課題に対して様々な対応策が立案されました。
●各課題解決の為の具体的施策
製品図面から加工案件の優れた位置に基準面を作り加工性能の向上を図る
組み付けパーツの点数そのものを少なくすることで、軽量化を図る
(2)と並行するかたちで)部品点数を少なくすることで組み付け誤差を低減させる
3D(三次元)的に構成された製品を作り出すため、鋳造によって加工素材を作る
製品ロットが少ないため、ダイカストで作るよりも砂型鋳造にて作り、型費の軽減を図る
加工品取り付け冶具を考案し、インデックスを多用しながら多面加工を同時に行うことで、寸法誤差を0とするプログラムを組む
加工部品のベース板に掘り込み加工、ノックピン穴等を作り、複合部品の取り付けを簡素化する
アニール=熱処理を行うことで、素材の加工歪み低減を図る
各部門が創意工夫を重ね持ち寄ったプランをもとに、各難題を着実に潰していくことで、スタッフにもようやく確信が持てるようになりました。ただ、唯一の不安材料であったのが、機械の信頼度。そこで、私達はCAD対応で改めて図面を起こし、CNC測定器を使ってチェックを実施しましたが、今回の案件は、より高い精度を要求される故、Z軸対応に評価の高いマシニングセンターの導入を行い、加工プロセスの精度にに万全を期しました。
【お客様の評価】
客様の期待に充分耐えうる高精度・高品質を維持することに成功!
机上から現実へ…実際の加工工程においても、様々な対応を余儀なくされました。砂型鋳造を行い、形状素材を抽出、量産サンプルを作り出すことで、細部にわたり寸法及び形状のチェックを繰り返し実施。取り付け冶具の設計、製作、組み付け、稼動テストを繰り返して行うことで、加工ロスを徹底的に取り除いていきました。
今回、「加工精度を如何に高精度且つ安定的に供給・保持させるか」という課題に対し、各スタッフは[理論・理屈]と[現実・実際の現象]の狭間で苦闘し、想像以上の労力と時間を費やしました。

その結果、完成された製品はお客様の期待に充分耐えうる高精度・高品質を維持することに成功。実際、お客様にご覧頂いた際「これならばいける!」と、高い評価を頂くことができました。
【本事例のポイント】
加工部品の複合形態化への移行及び改善
部品組み付け方法改善プランの策定及び実施
ランニングコスト軽減を目的とした量産化対応プランの策定及び実施(砂型鋳造による加工品・素材の製造を核とした量産化プラン)
加工部品の取り付け冶具作成における短期化の確立
バックアップ体制の確立(必要なときに必要な機械を調達する等)
以上のような施策を実施していくことで、製品の品質保持並びに低コスト化を可能とすることができたのです。提案から始まることにより製品及びシステム全体の品質が保証される…FUJITAITOは、お客様に対しより以上の信頼と安心をお約束できるよう、日々改善に努めてまいります。